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1. 女性の生殖可能期間を支える原始卵胞維持機構の解明

人やマウスなどの哺乳類卵巣では、卵子のもととなる卵母細胞が「卵胞」と呼ばれる球状構造の中に維持されている。健康な思春期のヒト女性 の卵巣には 2~4万個の卵胞が含まれており、 月に1個ずつ、一生の間には合計 400~500 個の卵子が排卵される。正常な卵子を定期的に排卵し妊娠可能である期間を、女性の「生殖可能期間(reproductive life))と言い、人では30~40年、マウスでは1年前後である。

卵胞のなかでも最も未成熟な「原始卵胞」は、卵巣の中で休眠状態にあって長期間ストックされている。原始卵胞は刺激をうけると活性化し、卵胞成熟過程にはいる。女性が約40年 という長い生殖可能期間を維持するためには、原始卵胞の維持と活性化のバランスを保つ機構が必要であるが、そ の詳細は未だ不明である。

当グループでは、原始卵胞の維持と活性化を制御する分子機構について研究を行うとともに、3Dイメージングやライブイメージングを用いた卵胞成熟の可視化に挑戦している。